年末調整のお話

  1. 今年も年末調整の時期がやってきました。

年末調整とは

「給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(毎日) の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続で、給与の源泉徴収の総決算ともいうべきものです。」(国税庁「年末調整の手引き」より引用)

ということで、給与以外に所得のない人にとっては、1年間の所得金額と所得税額を確定するための手続きです。

サラリーマンは、会社へ「扶養控除等申告書」と「保険料控除申告書」を提出すれば、12月の給料計算の際に会社で年末調整計算を行い、所得税の過不足額を出して、税額の還付または徴収して完了となります。

さて、この12月の初めだと、すでに会社に扶養控除等申告書、保険料控除申告書は提出済み、という方が多いと思います。

ひょっとして、もう計算済みという人もいるかもしれません。

この提出した後に、生命保険に新規に加入して保険料を支払った、ということがあった場合はどうすればいいのでしょうか?

会社によりますが、給料計算前であれば、まずは「保険料証明書を追加で出したいのですが…」と経理の方に相談してみましょう。まだ間に合いますよ、受け付けてくれることもあります。
ただ、従業員数の多い企業などでは、提出締め切り後は一切受け付けてくれないというところもあります。この年末調整計算は期限が決まっているのと、確認と処理に手がかかるので、例外を作ると経理担当者が大変なのですね。

そんな場合、今年は控除が使えないのか、とあきらめることはありません。
通常はサラリーマンは必要ないのですが、年末調整をした後、確定申告で控除を受けることができます。
年末調整後に会社から渡される「源泉徴収票」と「保険料控除証明書」を使って、確定申告をしてください。
通常の確定申告は2月16日からですが、還付の申告であれば、税務署は1月からでも受け付けてくれます。

さて、ここまできて「じゃあ、生命保険料支払ったから、せっかくだから確定申告してみようかな」と思った方。

一つ、確認してほしいことがあります。それは、生命保険料の控除額には限度額があるということです。
一定以上の保険料を支払っていると、それ以上いくら支払っても控除額は同じということになります。
たとえば、源泉徴収票を受け取って内容を見た場合、その中の「生命保険料の控除額」が120,000円となっていると、限度額いっぱいで、これ以上は控除することができません。
したがって、確定申告をしても変わらないからしなくてもいいということになります。
国税庁ホームページの生命保険料控除http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1140.htmに計算方法があります。
加入する保険の種類(一般、介護医療、個人年金)が違うものに新規に入りましたという場合ならばいいですが、今までに支払っていた保険料が限度を超えていると、それ以上の控除はできません。

一般の生命保険で年間8万円以上保険料を支払っている人は、新しく一般の生命保険に入ったとしても、それ以上生命保険料控除額は増えません。

これが、一般の生命保険しか入っていなかった人が、新しく介護医療保険に入って保険料を支払った場合は、生命保険料控除額が増えます。

そして、もう一つ、勘違いされることがあるので注意しておきたいことがあります。
保険料控除の金額というのは、「所得金額から控除される金額」です。還ってくる税金の額ではありません。

還付される金額は「保険料控除額×税率」の金額なので、たとえば、12月に初めて生命保険に入って保険料を8万円支払いましたという場合は、保険料控除額が4万円、所得税の税率が10%ならば4084円、5%ならば2042円という計算になります。端数処理があるので、この通りの金額ではないと思いますが、少しでも還付があるなら計算してみて、確定申告を考えるというのもありかもしれないですね。

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